スライドショーで思いを発信しよう:実践の流れ(6)ストーリーを考える

教師の手だてと子どもたちの姿

第8時間目は、大まかなストーリーの決定からはじまる。ある程度決まったら、子どもたちは教師に説明をしなくてはならない。
ここでは、教師は、なかなか合格を出さない。「出さない」というよりは、「出せない」といった方がいいかもしれない。映像と文章がつながっていないと、もちろん合格させないが、それ以外の要因もある。 たとえば、子どもが他人ごとのように伝えているようなものはダメだ。たとえば「これでは、車椅子の人が困りますから、スロープを作って下さい。」なんていうのは、聞いていて伝わらない。どこかしらじらしい。ユニバーサルデザインとは何なのか、どのような社会をのぞんでいるのかが伝わらないのは、合格を出せない。
また、「自分の考え」が伝わってこないのもダメである。稚拙な言葉でもいいから、このようなことを学習したら、自分のものの見方がこのように変わった、といったものだと説得力がある。たとえば「今までは点字ブロックなんて意識して見たこともなかったけど、あらためて見てみると、ずいぶんと痛んでいることに気がつきました。」といった「自分の考え」は映像を伴うと伝わるものがある。  そうやって「合格」をもらったチームは、写真を台紙にはる。そして一人一人が原稿の文章を書いていく。一人一人が書くから意味がある。それぞれが真剣に考え意見を突き合わせていくから良い物が生まれる。
自己評価カードの文章から、子どもたちの思考の足跡が分かる。
一人一人が原稿を書いたところで、45分の授業の終了となる。
◎  今日は、授業の文章を書くという作業をしました。
写真に合った説明をしないといけないので難しかったです。相手に分かりやすく伝えるためには、聞いていて分かる簡単な言葉を選ばないといけないということが分かりました。
今日は文章を書きました。やはり、映像を選ぶのは、とても難しかった。でも、話し合いをしていたので文章はすらすら書けました。今日は、話し合いはすごい、ということを学びました。
◎  今日はナレーションを考えて書きました。写真に合った文章を入れるのは難しかったです。はじめてだったので、とても難しかったです。
特に写真が入れかわると、文章を工夫しないと伝わらないなあ、と感じました。言葉の構成をもっと考えて、みんなが見て伝わるようにしたいです。
◎  今日は、ナレーションの文を考えました。ストーリーはならべていたので文章は考えやすかったです。
でも、あまり文が長すぎたら本当に伝えたいことが分からなくなるので、文の長さもこれから考えていきたいです。

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話し合いながら考えを深めていく
子どもたちが、話し合いながら考えを深めていくためには、それぞれが「自分の考え」をもっていなければならない。 つまり自分なりの視点を持たせる必要があるのだ。
活発に話し合っていれば、相互に作用するというわけではない。黙って自分の考えを練り上げていく時間だって必要なのである。自分の考えができあがっているからこそ、話し合いにも熱が入る。グループ内で一つの作品を作り上げるからこそ、「自分が参加している」という実感も高まるはずだ。 そのためには、一人ひとりが、原稿を文章にしてみる必要がある。自分の答えがあるからこそ、他人との比較ができる。また、映像を言語にしていくことになっていく。
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