クイズに答えて「どうぶつの赤ちゃん」カードをゲットしよう!:デジタルコンテンツや図書資料から、「生まれたばかりの様子」「大きくなっていく様子」を読み取り、カードにまとめよう。〈11・12時間目〉

教師の手だてと子どもたちの姿

「生まれたばかりの様子」が書かれたところには「ピンク」、「大きくなっていく様子」には「青」の付箋紙を貼っておく。文章だけでなく、挿絵や写真にもあることを子どもたちは教材文の学習から学んでいたので、ここでも挿絵や写真にも、付箋を貼っている様子が見受けられた(写真1)。
「赤ちゃんカード」は4種類(ABCD)用意し、自分の力に応じて選択できるようにしておいた。もう、この時期に文章を書く力に、相当差がついてきている実態があるからだ。ひらがながうまく書けなかったり、文章がなかなか浮かんでこなっかたりする子どもたちにも、抵抗なく取り組め、カードにまとめることを楽しんでほしいと考えたからである。(写真2は、A「一番書く量の少ないカード」)
カードにまとめる際には、読み取りの視点を入れること(写真3)と自分が分からない言葉をそのまま写してしまうのではなく、自分の言葉に直してから書くことを約束しておいた。一番書く量が少ないカードには、読み取りの視点「生まれたばかりの様子」「大きくなっていく様子」を書けるように項目立てておいた。
だれが、どのカードを選ぶのかなあと見ていたが、ほぼ自分の力に応じたカードを選ぶ様子が見受けられた。本学級では、何か楽しいことやイベントがある毎に、絵日記を書いてきた。何かある毎に書かせると、書くことが嫌いになるという考えの教師もいるようであるが、本学級の子どもたちは、初めは2、3文しか書けなかったのが、だんだんその量が増え、紙を付け加えなくてはならないくらい書けるようになることがうれしいらしく、また「絵日記書こうね」というようになっている。まったく、向上心に満ちた子どもたちだと思うが、こういう経験の積み重ねが、自分の書く力をしっかりと把握し、カードを選択できるようにしたのだと感じた。しかし、逆に考えると、Aのカードを選択した子どもたちには、もっと書く力をつけ自信をもたせてやらなくてはいけないということになる。このカード選択は、教師に実態をつきつけられることにもなった。
カードを書きながら誰かが「この赤ちゃん、おかあさんにぜんぜんにてないよ」とつぶやく(写真4)とどれどれと周りの子どもたちが集まってくる。「50センチって、どのくらいって書いたらいいんだろう」とつぶやく子がいると、「うでのながさくらいじゃない」などと答えてあげたりする。情報交換しながら楽しく取り組む様子が見られ、学び合う姿勢が育ってきたと感じられた時間となった。写真2からも分かるように、Aのカードを選んだ子も、自分の言葉でまとめることができている。
付箋を貼る様子 一番書く量の少ないカード
読み取りの視点 情報交換しながら楽しく取り組む様子

「メディア創造力育成」は、ここで!

1年生の子どもたちの本物感は、友だちがほしいと感じるような情報が載っているカードを作ることである。ここでは、教室に掲示してあるデジタル教科書を拡大した掲示物を活用して、「はじめて知って驚いたこと」は「生まれたばかりの大きさ」であったり、「えさ」であったりしたことや、「7日目には」とか「○○くらい」とか具体的な数字やもので表すと分かりやすいことを確かめ合い、大いに教科書の文体と自分のカードの文体とを行ったり来たりする活動を保証した。「メディア創造力」育成の教師の着目点にある「3」本物(今回は、教科書の文体)に迫る眼を養う4)自分なりの視点を持たせる5)差異やズレを比較し、実感させる6)映像と言語の往復を促す」に迫る視点であるといえよう。
こんな子が育った!(1)
動物園に連れていってもらったり、「しんせきのうちの犬をカードにかきたい」と写真や成長の記録をメモしたものを用意してきたりする子がでてきた。そのように意欲的に取り組む子どもたちのことは、全員の前で取り上げ、紹介した。
また、「インターネットでしらべていいですか。」と訴えてきた子がいたので、「どうして?」と尋ねると「どうしてもテレビで見たヌーをかきたいんですけど、本がないです」とのことだった。そこで、教師と一緒にインターネットのサイトから情報を得ることにした。
お気に入りの動物をカードにするという目的意識が、子どもたちにちゃんと浸透していると感じた。
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