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三重県総合教育センター
提供:日本教育新聞社
研究者、広告プロなどが支援
高等学校で来年度から導入される教科「情報」にむけて三重県教育委員会は、10月18日、高・盲・聾・養護学校職員を対象に研修講座「教科『情報』のねらいと授業計画」を総合教育センター(津市)で開催、約20人が参加。研修は金沢大学教育学部教育実践総合センター助教授の中川一史助教授を講師に、「情報」への対応に関する講義とともに広告を制作するCM広告研究実習が行われた。企業の広報担当経験者、使用ソフトのインストラクター等もサポーターとして参画する「これまでにない研修」(中川氏)が展開された。

小・中の実践への意識も
研修は、『情報化と情報教育(講義)』『教科「情報」の実習(講義)』『実習「CM広告研究」』『まとめ』の構成で行われた。

中川一史助教授
まず、中川助教授が講義。社会の情報化の現状と学校での整備状況、「情報A、B、C」のねらいなどの解説の後、小・中学校の実践例を紹介した。

地域のお店を取材しガイドブックをつくる小学校、パソコン実習や調べ学習を経て映像作品を作る中学など「調べて、まとめて、伝える」学習の延長上に情報教育が位置している事例から「これらは『情報A』と重なる内容。こういうことをやってきた子どもたちが数年の内に高校に入ってくる事実をふまえて高校での情報教育を進めなければいけない」と話した。

広告のプロから学ぶ
北川久一郎氏
今回実習の題材として紹介されたのは「CM広告研究」。参加者はグループに分かれ実習を進めた。実習の前に、CM広告研究の概要を中川助教授とグラフィックソフトメーカー、アドビシステムズ株式会社マーケティング本部の北川久一郎さんがテレビCMやパンフレットを素材にして解説。「どこに貼るのか」「対象は」「何を伝えるか」「人目を引く」といった制作の要点を整理した。助教授は、広告を題材にすることは「子どもにとって身近な素材、今風のネタで、関心も高い」と話し、さらに「広告に関わる人とも一緒に」と企業との協力関係を築くことも勧めている。

今後も実習研修を支援

実習は、総合教育センターの広告制作。職員への取材からコンセプトを決め、写真、コピー、レイアウトの作業を進める。レイアウトソフトの使い方はアドビシステムズの指導者などが支援した。

作品は情報教育の相談業務を全面に出すものから、研修に参加して「変わる」(成長する)ことを促すものなどが出来上がり、相互・自己評価の後、センター職員や北川さんが評価、講評した。受講者には「プロから見たデザインの評価や授業スタイルを研修できてよかった。授業で生かせる」と好評だ。研修担当の同センター廣島朗指導主事は「今回の受講者には教科『情報』のパイオニアになることを期待している。『情報A』の実施予定が多そうだが、助教授が指摘するように小・中で同じ様な活動をしてくる中で、数年後を見通した取り組みが必要になるだろう」と話した。

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