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情報教育徒然草〜友だちの輪〜

【第9回】
私がマックを使う理由
前田康裕先生(熊本県 熊本大学教育学部附属小学校)

和歌山県の山田真稔先生よりご紹介頂いた前田康裕(まえだ・やすひろ)と申します。学校では、「総合的な学習の専科」という、何だかよく分からない役職の教師をやっております。仕事の内容は、コンピュータの指導と管理、小学校英会話の教材及びカリキュラムの開発です。さらには、国際交流コーディネイターという仕事もしており、なんとなくかっこいい私です(って、自分で言うか?)。

私は10年以上も前からのマッキントッシュユーザーです。実は、それには深いわけがあるのです。あれは、1990年頃だったでしょうか。私が、まだMS-DOSという真っ黒な画面に文字を打ち込んでいくOSのパソコンを使っていた頃のことです。DOSのコマンドを覚えながらも、人生にむなしさを感じていました。

「ああ、こんなコマンドを覚えても、一体何になるというのだろう…」

そんな時、妻が、「これからは、マックの時代よ」と言って、マッキントッシュという米国製のパソコンを買ってきたのでありました。(実際には、ウインドウズの時代がきましたが…)しかも、Photoshopまで入っているではありませんか!初めて見たマックの画面に私はおそれおののきました。光り輝く1670万色のモニタには、まるで実物のような写真が映し出されています。パソコンの背後から出るオーラに私の身体はつつまれました。マックとPhotoshopの組み合わせは今までのパソコンの概念を崩しました。デジタル映像を作ることの快感を身体の底から味わうことができたのであります。

「ああ、生きていて本当によかった…」

あふれでる感動の涙を誰も止めることはできませんでした。

あれから、12年がたちました。私の学校の子ども用コンピュータは、マッキントッシュ。しかも、教師24名中17名がマックユーザーという常軌を逸した学校です。子どもたちは、フォトショップで写真を加工し、iMovieで映像の編集をして遊んでいます。6年生は「一言英会話」というビデオ番組を制作するのですが、必ず「ギャグ」を入れなくてはならないことになっています。これが学習の条件なのです。教師の方も同様で、動画の編集で完全に遊んでいます。宴会の時は、スクリーンとプロジェクタ、パソコンとスピーカーを運びこんで、酒席でプレゼンをやってしまうという素晴らしき非常識野郎どもの集団です。本校を視察に来られる先生方からは、「どうしてマックを使われているんですか?」としばしば尋ねられます。それはまだ、ましなほうで、たまに「どうして、マックなんか使うんですか?」と聞いてくる、とんでもない人もいます。ある時、ウインドウズ専用の教育用ソフト会社のセールスマンから「この機会に、ウインドウズに変更しませんか?」などと悪魔のごとき言葉をささやかれたこともありました。もちろん、その会社のチラシはシュレッダーで粉々にしたことは言うまでもありません。

というわけで、私の学校の子どもたちも先生たちもパソコンが大好きです。私たちにとっては、パソコンでデジタル映像を制作することは、「遊び」であって、「勉強」や「仕事」ではないのです。その楽しさを教えてくれたのがマックとPhotoshopなのでありました。この、すばらしきパソコンを、これからもずっと愛し続けることでしょう。(でも、ウインドウズマシンを5台も買ってしまいましたが…。)

次回は、石川県の大根布小学校の山下雅美先生です。とにかくすごい人です。実践はピカイチ!!。通常の男性では(色々な意味で)歯が立ちません。

2002年9月11日

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