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情報教育徒然草〜友だちの輪〜
【第17回】
「種」、ねねね「ネットワーク」、………「暮らし」
宮脇公治 先生(北海道 鵡川町立花岡小学校)
図師弘秋先生
柳瀬さんからご紹介していただいた北海道勇払郡鵡川町立花岡小学校の宮脇です。本校では3年生2名の担任をしております(4年生が欠学年のため)。柳瀬さんから諸先輩を差し置いてご指名され大変恐縮しております。柳瀬さんとは私が3年前に隣町の稲里小の研究会へ参加したことがきっかけでお付き合いしていただいております。同じ小規模校ネットワークのメンバーでもあります。

私は花岡小に赴任して5年目です。完全複式3学級のこの学校で、担任した児童数は、3名、2名、3名、3名、そして今年の2名です。へき地複式校の特性として、自然いっぱい、少人数で行き届く、個に応じた学習指導などがありますが、ここまで人数が減ってしまうとやはり問題視される部分も多少なりとも出てくるわけで。そのことについては、柳瀬さんが詳しく書いておられるので、私の方では省略させていただきます。

そこで飛びついたのがインターネット。だれもインターネットのことなど詳しくわかりませんでした。が、どうこういってられません。とりあえずノートパソコン1台が入りました。もちろんダイアルアップのアナログ接続。3年前のことです(ISDNのサービスの地域にまだ入っていなかったんです)。30mぐらいの電話線を買ってきて、狭い校内「どこでもインターネットに接続できる」と喜んでいたのが大昔のことのようです。

インターネットに接続したことにより、児童の学習の幅が格段と広がりました。今振り返ると、我々教師の想像していた以上よりも数段レベルの高い画期的な出来事でした。

さて、私が縁あってここ数年取り組んでいるのが、全国発芽マップです。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、全国の小中高校などで、同じ植物の種を同じ日の同じ時間に蒔いて、それを学びの接点にして、学習をすすめるという取り組みです。各学校からアイディアを出し合う、協働学習を企画する、生長を交流したり、作った物を送ったり、贈られたり。究極はテレビ会議。これにははまりました。面白そうな魅力のある提案やアイディアを出した学校が発芽マップでは主人公(校?)になれるのです。ですが、ここ数年鵡川町の天候が悪く、暖かい地方の植物はあまり育ちません。ケナフ、綿、オクラなどみんな失敗。児童のモチベーションも自ずと低くなってしまいました。

そこで、今年は「北からの逆襲」と銘打って、スモールプロジェクトとして、ビートプロジェクトを立ち上げました。これには児童もよろこんで取り組んでいます。北海道でしか栽培されていないビート(砂糖大根)を全国で栽培してもらい、南限はどこか?九州でも育つか?砂糖を作ることができるか?など、魅力的な素材として、ビートは大変魅力的であることがわかってきました。(来年も継続予定。ぜひ参加して下さい)

最後に、発芽マップの魅力について、私はこう考えています。

まずひとつめは、「種」です。子ども達にとって、これほど身近で、それでいて不思議な素材はないと思います。一口に種といってもものすごい種類がありますし。

次に、「ネットワーク」です。これは、交流校同士はもちろんですが、MLに参加している方々の「人的ネットワーク」は、ものすごいパワーを持っています。それはあたかも脳細胞の一つ一つがシナプス結合しているような(たしか「グローバルブレイン?」っていったかな)。ようするに私のような無知な男でも誰かが助けてくれ問題が解決できるということです。

最後に、「暮らし」。このキーワードははずせないと思います。日本って実に広いんだなぁということがよくわかります。食べ物、着る物、方言、住まいに、気候。交流すると興味がつきません。究極の交流の手がかりでしょう。実際ここまで突っ込んだ交流となると、大変な苦労もあるのですが、児童の変容を見た時には報われた気がします。

『全国発芽マップ』。奥が深いですね。教師が一番夢中になっているのかもしれませんね。(でも学びの手本としていいのかな、と)

次回は北海道勇払郡穂別町立和泉小学校の山田誠一先生です。山田さんは、小規模校ネットワークの管理人でもあります。現在「CSCL環境が小規模小学校間の遠隔協同学習へ与える影響」というテーマで研究されているようです。「理論」も「実践」もという言葉がぴったりの方で、同じ小規模校に勤務する仲間としてものすごく頼りになる方です。いつも私の突発的なわがままにも快く対応してくださり、今年度も本校のHP用にBBSやwebカレンダーを設置などしていただきました。それでは、バトンタッチしたいと思います。

2003年01月29日

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