デジタル表現研究会
D-projectとは? D-allメーリングリスト サイト検索 ホーム
D-project
D-projectのあゆみ
メディア創造力を育成する実践事例
ワークショップ
ユネスコプロジェクト
教材作成
調査研究
カリキュラム検討
ネットdeカルタ
卒業アルバム作成
先生の道具箱
全国に広がるD-project
D-project アーカイブス キーワードで読む情報教育
 
キーワードで読む情報教育 8
ネットデイ
レポート1
コンピュータをつなぐだけでなく、人の輪をつなぎませんか?
山中昭岳
鳴門教育大学大学院(熊野川町立熊野川小学校)
ネットデイ2001和歌山実行委員会
学校にあるコンピュータがつながっていくだけでなく、人の輪がつながっていく…、これこそがネットデイなのです。ネットワークに関する知識や技能をもった方々だけの集まりではありません。子どもたちの学習環境をよりよくしたいという思いをもった方であれば、だれでも参加できるのです。そこには、先生たちはもちろんのこと、保護者、地域の方々、さらに自分たちの学校のことですから子どもたちも参加します。また、専門的な技能をもった企業の方々もこの思いに引かれ、サポートしてくれます。この1日はまさに人と人とがつながって輪になる日なのです。

スタートは、その学校で子どもたち、先生たちが校内ネットワークを必要だと感じたときです。コンピュータ室だけにあったコンピュータでインターネット等を活用していく中で、先生方の中に「教室にコンピュータがあるともっと様々な授業展開ができる」という意識や子どもたちの中に「教室にインターネットのつながるコンピュータがほしい」という気持ちがまず必要なのです。これでネットデイ成功度30%達成です。

そして、当日までの打ち合わせ、準備がきちんとできていればネットデイ成功度90%となります。ここが一番大変なのです。ネットデイ支援スタッフの考えを統一し、参加者を増やし、輪を広げる活動がメインとなります。スタッフはあくまでもお手伝いであり、中心は参加していただく方々にあることが重要なポイントとなります。

さて、残りの10%は当日ですが、いかにドラマが生まれてくるかにかかっています。各教室へケーブルを引くのにも、それぞれ1本のケーブルごとにドラマがあるわけです。子ども、大人、プロ、アマ関係なくみんなで知恵を出しあうのです。教室のどの場所に情報コンセントをつけようか、ケーブルをいかに見せずに配線できるか、そして楽にできるか…。この情報コンセントの場所等の学習環境を考えることは、すでにそれを活用する子ども・先生の立場になっているのです。

ネットデイでは、校長先生・教育委員会の人たちも一参加者でしかないのです。ある校長先生は、自らドリル部隊の精鋭となり、校長室にケーブルを通すため率先して学校に穴をあけてくれました。初めての体験でその道に開眼される方もいます。ドリルで穴をあけた経験をもとに、次回のネットデイではドリル部隊隊長となりドリル指導をおこなったり、また天井裏チームのリーダーはいろいろな学校の天井裏を見て、実際にのぼった経験を生かし、この天井はケーブルを通すことができる、もしくは無理だという判断をすることができます。

それぞれに役割があり、みんながいなくてはならない存在として自らわかったとき、このネットデイ成功度は100%になるのです。

子どもたちにも役割はちゃんとあります。自分たちの学校のことですから、場所や道具はよく知っています。それを生かして、放送係として各班の途中経過や諸連絡(道具の貸し出し状況など)を校内放送してもらうことで、自分たち以外の人たちの活動もみえるようになり、全員でやっているという意識になります。また、カメラマンとしても活躍します。子どもたちが撮影するのですから、みんな自然な姿で写ります。

子どもたちのこの活躍は、ネットデイ後の授業で別の形として表れます。自分たちがつくった環境です。まず、大切にします。そして、このネットワークで知り合った人たちと自分たちがつくったネットワークを使って交流をするのです。

ネットデイは、人の輪を広げる最高の機会です。もちろんプロの業者に任せたほうが、とてもきれいに仕上がります。でも幸いにしてお金がないというのであればネットデイに挑戦してみてはいかがでしょうか。ネットワークをつくっていく過程の中で、その仕組みを知り、そしてその苦労を知ることで、子どもたちにネットワークとはただ単に機械がつながっていくものではなく、人がつながっていくものとして認識させることができるのです。手作りのネットワークだからこそできる実践があります。こうなれば、ネットデイ成功度は120%となるのです。

ネットワークがつながりみんなで記念撮影

大人も子どももいっしょに
キーワードへの道案内へ

レポート1

D-project アーカイブス キーワードで読む情報教育