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ビギナー教師
レポート1
とにかくやろうよ、はじめの一歩
坂上則子
(石川県 金沢市立扇台小学校)

パソコンって壊れない!?
学校に1台コンピュータが入ったのが今から10数年前。こわごわのぞいていた私に同僚のある先生が言った一言。「大丈夫。
パソコンって壊れないよ」

これが私のパソコンへのはじめの一歩でした。現在本校には70台近くのコンピュータが設置されています。校内LANも整備され、パソコンをめぐる環境は充実してきました。けれど、多くの先生は自分はパソコンビギナーであると考えています。パソコンっていろんなことができるみたいだけれど自分ができるのはワープロぐらいだから…というのがその根拠のようです。今までにワープロ機能やインターネットについての研修会も受けてきたけれど、何となく自信がない。どうやって使えば有効なのかがわからないために結局使っていない。というのが実状です。けれど教師が使うパソコンの機能というのは今のパソコンが持っている数多くの機能のうちのごく一部に限られているような気がします。ワープロ機能、表計算機能、インターネット、電子メール、デジタルカメラ、各種教育用ソフトの活用などです。いくつかのことができるだけで、かなり使いこなせる感覚を持つことができるように思えます。平成13年度、パソコンが整備されたことで数回の校内研修会を持つことができたことと、台数が増えパソコンが身近になったことで、とにかくやってみようという気持ちが教師集団の中にわいてきました。

やってみたいことを見つけて
まずとにかくやってみることが大切です。自分の興味のあること、自分がしたいことを見つけて意欲を持って動いていかないことには、パソコンは身近なものにはなってきません。「クラス通信に写真を入れて出したい」と言っていたT先生。デジカメで撮った写真の入れ方がわからなかったり、フロッピーに保存してあるはずの文書が出てこなかったりと悪戦苦闘していましたが、自分の顔が入っている通信は子どもたちにも大好評で、めげずにやり通すことができました。クラス通信の次はデジカメで撮った映像でプレゼンを作って教材提示をしたりと新しい世界にどんどん入って世界を広げています。

校内のお話会での紙芝居をお絵かきソフトで作ったり、6年生を送る会での発表にプレゼンテーションを使ったりと、パソコンを使う範囲も広がってきました。「教室でプロジェクターを使ってビデオを見ると映画館みたいな感じになるよ」とか「生活科のまとめでこのソフトを使ったらよかったよ」などという話もちょくちょく聞こえ出してきました。パソコンを使うことに抵抗がなくなってきたように感じられます。

脱ビギナーめざして…
「え、まだ絵を切り貼りしてるの、こうやって挿入を押して…」

職員室の中にK先生の嬉しそうな声が響きます。先生方の教え合う姿が見られます。研修会だけでは覚えられないこともたくさんあります。本当に必要なときに聞ける仲間がいることはとても心強いことだと思います。パソコンの前でぶつぶつ言っていると「どうしたの?」と声をかけてくれる人がいます。カラーで印刷したかったのにモノクロプリンターから印刷が出てきてしまったり、デジカメで撮ったはずの写真が入っていなかったり…といろいろな失敗もあります。コンピュータルームでは呼び出せたデータが教室では呼び出せなくてSOSがきたこともあります。でも私たちは着実にビギナーから一歩踏み出したような気がしています。パソコンを道具の一つとして無理なく使っていると思えるからです。

「先生、このタイピングソフトで練習すると速くなるよ」
「データの出し方、わかったよ。先生」

子どもたちも一緒に私たちと歩んでいるようです。

 

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