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キーワードで読む情報教育 21
音楽とコンピュータ
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音楽とコンピュータ
音楽とコンピュータというと、すぐに思い出す2つの授業がある。1つは曲作りの授業。もう1つはネット上での共同制作の授業だ。

コンピュータでの曲作りは何をもたらすのか
ある小学校の5年生の授業だ。自分たちの描いた絵に題名をつけ、それをグループで物語のストーリーづけをして、最後にイメージに合う曲作りをするという活動だ。私は終盤にさしかかった音楽の授業を参観した。曲作りをするのは子どもたちには難しい。五線紙で音符を思うようにおけないのだ。それをDTM(デスクトップミュージック)の子ども用のソフトを活用することにより、簡単に音符をおいて、リズムや楽器など音の感じをシミュレートできる。どの子もさまざまな試行錯誤をくりかえしている。それを見ていると、いろいろ楽しみながら簡単に試すことができることの意味は大きい。私も小学生の時は音楽が苦手だった。音楽は私にとって「音学」であり、けっして「音楽」ではなかった。授業で参観したような活動が年に1回か2回あるだけで、きっと音楽になったろうに、と悔やまれる。
そういう意味では、簡単に曲作りに挑戦できるこのようなソフトを活用する活動が取り入れられることを、ぜひ音楽を受け持っている教師にチャレンジしていただきたい。理屈抜きに救われる子もいるはずだ。

ネットワークで歌作りコラボレーション
これも小学校の例だが、遠く離れた学校同士がネット上でアイディアを出しながら、共同で歌を作ったという活動だ。最後は合唱までしてしまう。右のスピーカーから本校の子どもたちの声、左のスピーカーから相手校の子どもたちの声、といった具合だ。それまで交流を続けてきた相手だけにまた感慨もひとしおだろう。
何かを共同で作りだす活動は他にもいろいろ試みられている。絵を共同で制作したり、絵のリレーで前の人のイメージを活かしながら発展させたり、詩をリレーさせたり、物語を共同制作したり・・・相手がわかればわかるほど、気持ちも共同制作の作品にのりうつり、こだわりも出てくる。このようなネット上での共同制作は、途中段階と形になってあらわれてくる最終形の変化が明確につかめることが多い。その結果、じっくりと振り返ることができるのだ。

いずれにしても、音楽でのコンピュータやインターネットも、要は使いようだ。
中川一史(なかがわひとし)金沢大学教育学部教育実践総合センター助教授
レポート1
マルチメディア通信で広がる生徒の音楽表現
田中龍三
(大阪府 大阪教育大学教育学部附属池田中学校)
レポート2
音楽とコンピュータ
田邊則彦(神奈川県 慶應義塾湘南藤沢 中・高等部)
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