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デジタルポートフォリオ2003『○○の気持ち』
授業参観レポート【第2回】
 
神奈川県 横浜市立菅田小学校 糸岡清一
 
  授業風景
あの穏やかであったかい5年生の子どもたちの顔を思い浮かべながら、2度目に旭東小学校の門をくぐったのは6月3日でした。子どもたちは、1週間後に迫った林間学校に向けて、休む間もなく目一杯取り組んでいる時期でした。村田先生は、そんな子どもたちを見て、「図工の時間になって、ほっとして存分に自分の時を楽しんでいるようですよ。」と教えてくれました。そう言われてみると、自分の世界に入り込んで心地よさそうに創作活動に浸っている子どもたちのゆったりした姿が目に映りました。

この日の授業は「ミニ発表会」。でも、プロジェクターの調子が悪く、急遽、各自のパソコン上の作品を見てまわりながら、感想やアドバイスを書いていくことになりました。そこで、友だちの作品を見る視点を話し合い、よいところを見つけて自分の参考にすることやアドバイスにピーンときたらそれを加えることなどを確認しました。

ワークシート例1
一通り子どもたちが見終わった頃、村田先生は、子どもたちを集めて感想を出し合う場を作りました。子どもたちは、肯定的な感想が多く、作品を深めていくような批評やアドバイスが少なかったようです。そこで村田先生は、絡まったコードの作品を例にしながら、どうしたら自分の気持ちを深めていくことができるかを子どもと一緒に考えようとされました。そして、書いてくれたことが自分の気持ちと違って受け止められてはいなかったかなどをもう一度問い直していくように指導されました。さらにパソコンならではの表現としてフィルターの効果にも着目して使ってみようと促されました。

子どもたちの表現は、どれもとても優しい気持ちが根底に流れていて、厳しく強烈に、時には、批判的に自己主張をするようなものはなかったように感じました。これは、この子たちの生活の中から培われてきた素直な気持ちなのだろうと思いました。そしてもう一つ、自分を見つめてそれを表現していくことの難しさも感じました。しかし、ほとんどの子がこの学習に没入しその表現を楽しんでいる様子を見ると、それがそのまま子どもたちの表現なのだということが分かります。

ワークシート例2

今日の授業も終わりに近づいた頃、ある女の子が賞状の画像にフィルターをかけ、瞬間的にゆがんだり変形したりするのを楽しんでいました。ちょっといたずらっぽいその表情のなかに、生き生きとした子どもらしさを見つけました。単なるおふざけに終わるか、そこから自分の本音に気づき表現につなげるのか、パソコンの持つ刺激的な表現の可能性とともにスリリングな展開を想像してみました。

ペンタブレットを使った制作の様子 制作途中作品
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