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教材作成プロジェクト 教師が授業で活用するためのデジタルコンテンツ

小学校5・6年
熊本県 熊本市立飽田東小学校:前田 康裕

授業案

  授業案のダウンロードはこちらからどうぞ。プリントアウウト等にご利用下さい。
PDF(424KB)

授業のねらい

  この授業では、Adobe Photoshop Elementsを使って、絵の一部分をわざと消して提示しました。そして、その部分を想像して絵に表すという活動を取り入れます。このような活動を通して、作者の立場に立って構図を考えさせ、美術作品の素晴らしさを味わわせることをねらいとしています。
 

デジタルコンテンツからの「子どもたちの学び」

  以下の4つの静止画コンテンツを使います。

図1:富士山と人物を消した絵
図2:人物を消した絵
図3:もとの絵
図4:1の絵ともとの絵の比較

また、ワークシートを印刷しておきます。子どもたちは図1と図2を見た後に、どのような絵が消されたのかを考え、実際にワークシートに絵を描きます。そして実際に描かれたものを比較して、その面白さを実感することができます。
ワークシートはこちらから スライド(図1〜6)はこちらから
PDF(464KB)
PDF(900KB)

 

教材作成のポイント

 
「一部を消す」という作業は、知的好奇心を高めるための教材を作成する一つの手法です。絵の一部を消す方法は、D-projectサイト「マニュアル実践活用プロジェクト」の「ものを消してしまおう」をご参照下さい。

授業の最後は,葛飾北斎の他の作品も見せていくことにしました。「浮世絵サロン」というサイトでは、北斎の様々な作品が紹介されていますので、教材作成の役に立つことでしょう。

 

授業の流れ

 
1.背景を考えよう 
まず、図1を見せて、感想や気づいたことを問います。
子どもたちは「迫力がある」「見たことがある」などと言いました。そこで次のように問います。
図1
実は、この絵(図1)は本物とは違うところがあります。わざと背景を消したのです。背景には何が描かれていたのでしょうか?
子どもたちからは「えーっ?」という声が聞かれます。
そこで、ワークシート1を配布して、想像で描くように指示します。教師は子どもたちを回って、子どもの作品をデジタルカメラで撮影して投影していきます。子どもたちの面白いアイデアを共有するためです。
ワークシート1
子どもたちの作品例
2.人物を考えよう
そこで、2枚目のページを見せます。「思ったよりも富士山が小さい」という感想が返ってきました。さらに問います。
実は、まだ本物ではないのです。船の上に人がいたのです。どのように人がいたのでしょうか?想像してワークシート2に描きなさい。
これも小どもたちから「えーっ」という声が返ってきました。背景の時と同様に、子どもたちの作品をデジタルカメラで撮影して投影します。様々な「人」がいて、教室には笑い声が起こります。
ワークシート2
子どもたちの作品例
3.説明を聞こう
そこで、いよいよ図3を見せます。子どもたちは興味津々です。船の上に小さくなって伏せている人々がいるのですが、小さくてよく見えませんので、図4を見せて確認をします。
そして図5(図3と同じ)にすすみます。
 
図4 図3・5
そして、図6を見せます。これは、図1と図3を並べて配置してあり、二つの絵の比較ができるようになっています。 そして、次のように問います。
図6
1枚目と3枚目ではどう違いますか?
子どもたちからは「富士山や人がいた方が、波が大きく見える」といった意見が出ました。そこで説明をします。
絵には中心となる「主役」と、それをひきたてたり、絵に変化をつけたりする「脇役」があります。
そして、北斎の他の作品として「富嶽三十六景」の中から数枚を提示して、自由に感想を述べられるようにしました。
最後に「今日の授業の感想」を書かせると「面白かった」「他の作品も見てみたい」という感想が多く見られました。子どもたちは、「主役と脇役」という一つの視点を得たと言えましょう。

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