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情報教育徒然草〜友だちの輪〜
【第4回】
川の流れのように〜情報教育に身をまかせ〜
江守恒明先生(富山県 富山県立大門高等学校)
大門高校に赴任して6年目、その前は、ちょっとコンピュータが使える化学の教員でした。電子部品を買い、ハンダで自作の計測装置を組み立て、機械語やBASICでプログラムを書き、ポケットコンピュータで化学計測実験の開発をしていました。その頃、大学院で電気化学も学び、電極以外のすべての計測装置(アンプも含めて)を自作し、中国全土から1人の人間を探し出す精度(1.3ppb)で、溶液の中に存在する物質の濃度を測定できる装置を組み立て、グラフ表示ができるようにプログラムを書いていました。そこまでで私の化学の教員としての活動は止まっています。現在は、化学は2時間だけで、その他は情報に関する授業を持っています。

赴任してからは、滞ることなくネットワークを稼働させるため、UNIXに始まりWindows2000サーバまで、メンテナンスや管理をする羽目になりました。そして、光ファイバーによる校内LAN整備、生徒のコンピュータの更新などハード面の整備と「100校プロジェクト」「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」「次世代ITを活用した未来型教育研究開発事業」の研究指定校としての研究が続きました。というより現在も続いています。なぜ、こんな話をするかというと、人は突然、自分の予期しなかったところに道が作られ、その道へ「ま〜、いいか」と歩き出すと、自分でも訳がわかないうちに加速しながら走ってしまっているということがあるのです。情報教育に携わっている人は、私と同じような境遇に陥っておられる人も多いのではないでしょうか。なんとなく入った道でしたが、私にとって悪いことばかりではありませんでした。コンピュータの使い方がうまくなったというよりも、小・中・高校・大学を問わず、情報教育に関わるいろいろな人と出会い、一緒に活動や仕事ができるようになったことが財産となりました。また、海外の学校と交流をするなかで、英語が少しずつ通じるようになったこともうれしいことでした。そして、主に計算・計測だけであったコンピュータは、コミュニケーションや表現に欠かせないツールへと変化してきています。

さて、平成15年度から高等学校において普通教科「情報」の授業が始まります。その設置は平成8年の中央教育審議会で答申され、これから情報社会に生きていく子供たちにどのような教育が必要なのか、また、教育の改善・充実のためにコンピュータや情報通信ネットワークをどのように生かしていくかの観点から、情報化と教育について述べられています。「情報」は、コンピュータの使い方を教えるのではなく、情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てることなのです。詳しくは、学習指導要領をご覧ください。個人的には、”3つのC”を念頭に、「情報」を教えたいと考えています。それは、Communication(言葉を交わす、話し合う、議論する、そして定義(共通理解)する)、Collaboration(主張する、責任を持つ、認めあう、そして共同制作する)、Creation(イメージする、具現化する、再構築する、そして新しいものを創造する)ことです。「情報」を学んだ生徒が、対話のコミュニケーションスキルを持って、堂々と自分の意見を言え、協力して創造的な活動ができる人になって欲しいと願
っています。

次は、京都市立桂坂小学校の山本先生です。米国最大の情報教育カンファレンスで発表された数少ない日本人の先生です。
それでは、Now it's your turn, Mr. Yamamoto.

2002年6月26日

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