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キーワードで読む情報教育 4
ネチケット
レポート1
匿名での、チャットで必ず起こること
清水和久
(石川県 金沢市立大徳小学校)
各教室にPCが入り、教室間や児童と先生間のコミュニケーションの手段としてIP Messengerを使いました。このソフトはフリーソフトでオンライン上のパソコン同士でチャット(同時に文字を打ち合うこと)ができるものです。このソフトを使うことによって、校長先生と直接お友達になった子もいたり、そのおもしろさゆえに、子どものキーボード入力も早くなりました。しかし困ったことも出てきました。メッセージを送る相手の顔が見えないため、意味不明の文字や乱暴な言葉を相手かまわず送ったりする子どもが出てきたのです。

教室のパソコンをつけているとパソコンの画面に突然意味不明の文字が表示されたり、悪口が出てきます。そのメッセージがどこのパソコンから来たのかはわかりますが、誰が打ったかまではわかりません。それに対して「やめろ」とか返事を打つとまた、今度はまた悪口が返ってきたりと…
しかし、考えてみるとこれは誰もが通る道なのです。何か文字を打つと、つながっている他のパソコンの画面にリアルタイムで文字が出るというのはとても不思議でおもしろいことなので、好奇心旺盛な子どもたちにとっては「当然」の行為といえます。それに顔が見えないので匿名性の「楽しさ」もあるのです。

ローマ字入力を習いたての時は、何か打ってみたいと思うはずです。しかし、なかなか思うように文字が打てません。手っ取り早く、めちゃくちゃにキーボードを打って、まずは反応を見たいのです。でたらめな文字「;rkgv@mう゛ぁ」でもいいから出してみたいと思うのです。そしてこれを他のパソコンへ送信する。すると当然オンライン上のパソコンに表示されるため、そのパソコンから苦情の「返事」がきます。次にやるのは「バカ」「アホ」などの悪口の類の交信です。単語が短いせいか打ちやすいのかどんどん出てきます。誰が打っているかわからないから、他の人の名前をかたる場合も出てきます。

ここで当然「指導」の必要性が出てきます。そのような使い方をした子どもをつきとめて個別に呼んで話をすることも大事ですが、打った人の気持ちや、もらった人の気持ちをクラス全員で考える必要があります。学校はおおいに失敗していいところです。特に外部から閉じられたネットワークの場合は、まずやってみて、問題が起こったときにみんなで考えて行くことが大事だと思います。

この場合その話し合いの中で、顔を見て会話の流れの上で言う「バカ」と、文字だけで書かれた「バカ」では、受ける印象が違うという点や、もっとつっこんでその子は、「悪口」を書くことで、関わりを求めているのではないかという意見までも出ました。この話し合いのあと、全くではありませんがこのようなことはあまりなくなりました。

今回はチャットでの話でしたが、相手が、全然知らない人か、知っている人かによっても文章の書き方や受ける印象が違うと言うことや、ネットワークを使った文字だけのコミュニケーションの怖さも少しはわかったようでした。

ネチケット(ネットワーク上のエチケット)は観念的に教えるのではなく、実際に体験して、様々な失敗を通して学んで行く中で、身についていくものだと思っています。
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