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キーワードで読む情報教育 7
学校間交流
レポート1
出会いを大切にした交流学習
竹田 啓
(山形県 長井市立平野小学校)
現在の勤務校に転勤して、5年生の担任になりました。最初に言われたのが「5年生では米づくりの学習を行っています」とのこと。どうせやるなら楽しく、おもしろくしたいと思いました。

そんな時、以前一度だけ面識のある先生(と言っても飲んだだけですが…)の学級が教育テレビの番組に出演することを知りました。さっそくメールを出して、番組の感想を送ることから交流を行う手はずを整えていきました。交流学習を全く経験したこともない、また、見たこともない子どもたちです。未知の人との交流をどう始めるか、出会いを大事にしたいと考えていました。

お互い5年生同士、ちょうど米づくりも行うということで、共通点が多くありました。相手校からはさっそく「ケナフ」の種を送っていただき、同日同時刻に種をまいて成長の様子を比較することにしました。また、お互いの地域の苗を送りあって育ててみることにしました。

コンピュータを使った初めての交流は、お互いの自己紹介です。画像を貼ることのできるインターネットの掲示板を活用し、一人ひとりが自分のことをアピールしていきました。すると、「実際にどんな人か話してみたい」との声が自然に出てきました。「じゃあ、テレビ電話というものを使ってみる?」と、さっそくテレビ会議システムを使うことにしました。

最初のテレビ会議は、大騒ぎのスタートとなりました。「お〜映ってる!」とカメラの前を独占する子ども。そして、ピースサインを繰り返す子どもと、物珍しさからとても騒がしい状態になりました。

デジタルカメラの映像や図を使いながらお互いの学校を紹介したり、稲やケナフの生長状況を教え合ったりするうちに、第1回目のテレビ会議は終了しました。インターネットの掲示板とは違った交流のメディアを体験するいい機会となりました。
コンピュータをあまり使ったことのない本校の子どもたちでしたが、掲示板への書きこみや成長の様子をデジタルカメラやコンピュータを使ってまとめていくことで、次第に抵抗感なく進めていくことができるようになりました。

観察記録が一段落した10月以降は、日直がその日の出来事を書き込み、お互いの学校の様子を伝えていく活動を継続していきました。

しかし、教室にコンピュータがないために、全員が常にインターネットの掲示板をチェックすることは難しい状況でした。そこで、掲示板をプリントアウトして教室内に掲示し、全員の目に触れるようにしていました。掲示されたものを常に見ることができるので、子どもたちは相手校のことを自然に意識することができていました。

2学期末になると、「今日のクリスマス会は楽しかったですか?」とか「この前のことはうまくいきました?」など、相手を意識した日直のコメントも見られるようになり、交流学習の成果が少しずつ見えてきたのでした。

学校間交流は、様々な角度から行うことができます。担当教師間の打ち合わせ・意思疎通が大切であることはもちろんです。子ども同士の出会い、きっかけづくりをていねいに行うことで、その後の意欲が大きくかわってくることを学んだ交流学習でした。
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