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キーワードで読む情報教育 13
プレゼンテーション
中川一史のキーワードへの道案内
4月からスタートした総合的な学習では、学習活動の場としてプレゼンテーションの機会がさまざまな節目に登場する。いや、節目だけでなく、総合に限らず、実は日常的にも子どもたちはいわゆるプレゼンを行っているはずなのだ。

さて、プレゼンテーションでポイントとなることは何だろうか?私は以下の5つをあげておきたい。

1)誰に伝えるか
特に学年(年齢)が下がれば下がるほど、対象を意識することが大事だ。そういう意味では、低学年の国語や生活科で、先生に作文を書いたり、家の人に手紙を書くなど、身近でイメージを持ちやすい対象をまずもってくるのは当然のことと言えよう。総合では、そこからだんだん対象が学校の他の学年の人たち、地域の人や専門家というように広がってくるように発展性を考えたい。

いずれにしても、この伝える相手をあやふやにしてしまうと、以下の2)と3)がぼやけてしまう。

2)何を伝えるか
人に伝えるには、当然「〜を」という目的があるはずだ。伝えたいという切実感なしで、テクニックだけ身につけてもしょうがない。これが活動の文脈でどのように生まれてくるか、それをいつも教師は大事にしたいものだ。

3)どうやって伝えるか
とは言うものの、相手に分かりやすく、時には、印象的に伝えるためにはどんな手段を用いるのかという観点も重要だ。時には模造紙でプレゼンをした方が相手に伝わりやすいかもしれないし、時にはパソコンとプロジェクターを使った方が効果的かもしれない。結局、時と場合で状況に応じたプレゼン方法を選択できる力を育てたい。そのためには、計画的にいろいろな方法を経験させていくことを校内の研究部などで検討していきたい。

4)どんなシチュエーションでプレゼンするか
プレゼン方法のバリエーションという意味では、どんなシチュエーションを設定するか、ということも重要だ。校長先生に予算交渉をし、なんとか説得できる機会があるのか、ポスターセッション形式で保護者からその場で質問を受けるような場を作るのか、など、シチュエーションによって子どもたちの動きもかわってくる。そのような学習環境や場を意識的に用意できるかどうかという教師や学校の力量も問われている。

5)プレゼンの楽苦しさを味わえるか
本当はこれが最初にくるべきなのだろうが、1分間スピーチのところで述べたように、まずは子どもたちにプレゼンする楽しさを味わせたい。クラスの友だちから拍手をもらった、メディア機器を使って工夫してできた、そういう成就感が次へのステップになる。その上で、時には専門家から厳しい指摘を受けたり、幼稚園の子どもたちに「おもしろくな〜い!」と言われたり、そういう場にさらされる経験も大事だ。

いずれにしてもプレゼン力は一発でつくことはない。さまざまな経験やふりかえりの機会が力をつけていく場を保証することになるのだ。
中川一史(なかがわひとし)金沢大学教育学部教育実践総合センター助教授
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