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インタビュー
レポート1
メディアで広がるインタビューの世界!
谷口一登
(石川県 小松市立串小学校)
相手にインタビューをすると、時には予期せぬ答えが返ってきたりして、本当に困ることがあります。私たちの学校の子どもたちは、大きな舞台での演劇や歌などを大変意欲的に取り組み、見ていても立派だなぁと感じることがあります。ところが、台本にないようなことを話す場を与えると、とたんに萎縮してしまい、それが教師の悩みの種でした。

そこで、昨年度は週2回の帯タイムの時間(5限目が始まる前の15分間)を「コミュニケーションタイム」と称し、「話すこと・聞くこと」の練習をしてきました。最初は自分に関することを知ってもらおうということで、自分の宝物や家族についてなどスピーチをさせていたのですが、年度末になると題材が「これまでお世話になった方々にインタビューしたい」という内容に発展していきました。この頃になると、人前で話すのが苦手だった子どもたちも、かなり話せるようになっていました。ある児童は以前担任をして下さった先生、自分の家族、中には少林寺拳法の先生に聞く!という子もいました。インタビューしたことをまとめて発表したのですが、先生や家族ならみんな顔も知っていてイメージがつきやすいけれど、さすがに拳法の先生は接した子にしか分かりません。「いったいどんな顔をしているの?」という素朴な疑問が、「拳法しているんだから、きっと恐い顔だよ」「髭が長いんじゃないか」「お坊さんだから頭はつるつるなの?」とかいろんな憶測に発展したため、「先生、デジカメで拳法の先生の写真を撮ってきていい?」ということになりました。次の日のコミュニケーションタイムは、話すほうも聞くほうも興味津々。つないだTVに映った拳法の先生を見て、「え〜、優しそう」「でも、僕はイメージぴったり」など反響はさまざまでした。その先生には申し訳ないことをしましたが、デジカメというメディアをからめると、これまで見えなかった「インタビューされる人」の存在が明確になり、映像が好奇心や集中力を高めてくれた事例になったように思いました。

別の学年を受け持った時、インタビューに関してもうひとつ困った問題が起きました。インタビューした相手の人の答え方が速くて聞き取れず、「何度も聞き返すのは失礼かな?」と思ったのでしょう、泣きながら帰って来た子どもがいました。「先生、何回聞いても何を言っているのか分からない」「速くてメモがとれない」という子どもたちの話を受け、どうしたらいいか相談させたところ、「同じことを何度も聞くのは確かに失礼だから、録音して帰ってから聞き直せばいいのでは?」という話にまとまりました。そこで登場したのが、テープレコーダーでした。古い型でしたので、2〜3人でかついで持って行ったのですが、帰ってきた時の顔は笑顔であふれていました。早速再生してみたところ、確かに小学生の知識では難しい内容が含まれていました。そこで、そのテープを何度も聞き、一緒に分からない所を調べたりしているうちに「もっとはっきりしゃべったほうがいいよ」とか「聞き忘れたことがあったから、電話で聞いてもいいかな?」といった次への意欲が生まれてきました。最近ではマイクロカセットやボイスレコーダーなど小さくて便利の良いメディアもありますが、既存の古い物でも十分に授業で活用できること、そして「声」という消失してしまうデータを、繰り返し再生できるメディアを利用することで、子どもたちの意欲の持続と学習の正確性を認識できた実践になったように思いました。

色々実践事例はありますが、改めて「インタビュー」という言葉を辞書で調べてみると、「新聞、雑誌や放送の記者などが取材のために人に会って話を聞くこと」とあります。つまり、どんなメディア機器を使っても、その向こう側には必ず「人」がいることを子どもたちに認識させていきたいと思っています。
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