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情報教育徒然草〜友だちの輪〜
【第19回】
新しい教育の形態Interactive CAI
竹花史康 先生(北海道 北見市立東相内中学校)
竹花史康先生
Interactive CAI(Computer Assisted Instruction)…まだ聞き慣れない言葉と思います。直訳すれば”対話型のコンピュータによる支援学習”となりますが、もともとCAIそのものが対話型あるいは相互作用による学習システムでありますので、ここでのインタラクティブとは、もう少し広い意味をもちます。従来のCAIとの大きな違いは、インターネットを利用して学校という環境以外でも”学校での学習”の個別指導を行おうというものです。

児童・生徒が1人に1台のコンピュータを利用して学習を行うCAIは、プログラム学習の流れから完全習得学習を目指す学習形態として発達し、現在も多くの学校で実践されています。ただ、1人1台のコンピュータで学習する環境が必要であること、教育のコンピュータ利用はインターネットが主流となってしまったことなどから、CAIはかつてほど脚光を浴びなくなってしまいました。

しかし、教育改革が叫ばれている今こそ私は、CAIの必要性を強く感じています。CAIは1人の教師では不可能な”指導の個別化”を可能にします。そして、1人1人の特性に応じた学習活動の実現、さらには、”基礎・基本の確実な定着”を図る上でも大きな方策の一つと考えます。

こうしたCAIは、今までは学校のコンピュータ室で行われてきたのですがインターネットの発達と長年CAIを実践してきた研究者の熱い思いにより、最近になってWeb上で動くCAIが開発されました。

このことは、いったい何を意味するのかといいますと、学校の授業では時間がなくて終わることのできなかった学習を、自分の意志で家に帰っても続けることを可能にします。つまり、学習する環境として学校以外を選択しても、そこである程度質の高い教育を行うことができることを意味しています。しかも、塾や通信教育のように一方向からのものではなく、インターネットとコンピュータの特性を生かして、児童・生徒の個性にインタラクティブに反応する学習システムが可能になることを意味しています。

公教育を学校以外で行うことには当然異論が数多くあると思います。しかし、たとえば、不登校の生徒が学校で勉強する内容と同じことをインターネットで学校にアクセスして学習できたり、集団の中での学習についていけない生徒、ゆっくりじっくり自分のペースでやりたい生徒、さらには人よりも速いペースで学習したい生徒等々、今まで学校では難しかった個人特性にもっともっと対応できるかもしれません。

全くの個人的な意見ですが、私は近い未来、従来の学校というものに限定されず、自分の家や他の施設で学習する機会が増えると予想しています。もしかしたら児童生徒だけではなく大人もInteractive CAIで勉強をやり直そうとするかもしれません。

その第一歩がこのInteractive CAIと考えています。もちろん、今日明日の話ではないと思ってはいますが…。

2003年03月05日

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