D-project(デジタル表現研究会)は、「デジタル(Digital)」「デザイン(Design)」の2つの『D』をキーワードに、ITにふりまわされることなく、子どもの学びをみつめて授業をデザインしていこうとする姿を提案したいという願いから2002年4月に発足。全国の小・中・高校の教師と大学の研究者を中心に、プロジェクト形式でさまざまなテーマに取り組んできました。そこで明らかになったのは、情報教育は子どもたちの発想力や企画力、表現力といった「豊かな学力」の育成に有効だということです。
昨今、学力低下の危機を受け学校教育界では、「基本基礎」の徹底が叫ばれていますが、自分の考えを相手に伝える「豊かな学力」「考える力」の低下も深刻な問題ではないでしょうか。「伝えたいという切実感」や「この学習が何に役立つのか」という意味づけ、動機づけの不足が学習意欲の低下にもつながっていると考えます。
2006年度からスタートしたD-projectは、「豊かな学力」と「メディア表現」を結びつける「メディア創造力」というキーワードを、今後の活動の柱にしていきたいと考えています。「メディア創造力」とは、「表現学習を通して、自分なりの発想や創造性、柔軟な思考を働かせながら自己を見つめ、切り拓いていく力」と定義しています。「メディア創造力」の育成という新たな視点で授業作りを考え、「基本基礎」の徹底に結びつく実践を提供しながら、日本の学校教育界に根強い「キチンと文化」に問題提起していきたいと考えています。
「メディア創造力」を育てる新たな授業プランを開発し、広く情報発信していきます。国語・美術・図工・総合的な学習・情報など幅広い教科を対象に、授業開発と成果検証まで行います。
D-projectでは、全国各地の教育団体や教育委員会等へ、D-projectからの派遣教師やノウハウを提供しながらワークショップを行っています。「単なる技術取得研修に終わらない」「授業を想定した受講者参加型」のいわゆる子どもの視点で模擬授業を体験していただくワークショップが好評を得ています。基本メニューは以下の4つ。ご要望に応じて内容のカスタマイズも行います。
これまでに約100の地域や団体からのオファーがあり、D-project式研修のあり方を広げています。また、D-projectから講師を派遣しなくても地域で研修ができるように、D-projectサイトからワークショップ研修用パッケージの申し込みができるようになっています。
D-projectでは、年に2回公開研究会を行っています。過去には北海道・宮城・東京・和歌山・京都・鳥取で開催しました。実践発表やワークショップ、ポスターセッションなど、息つく間もない1日になります。ポスターセッションでは、大人(教師)にまじって、小学生、中学生、高校生、大学生もプレゼンを行います。授業実践に役立つヒントが得られ、多くの人と出会いもあります。
また、Webサイトやメールマガジンで活動の最新情報を提供するとともに、現在約500人が参加しているメーリングリストやブログで情報共有も行っています。
ぜひあなたも、ご自身の「D」をいっしょに追究していきませんか?
※「D-project」のねらいや今後の展開については、学研「NEW教育とコンピュータ」の「メディア創造力育成講座」でも紹介しています。
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D-projectのDは「デジタル(Digital)」「デザイン(Design)」の2つのDをあらわしています。学校や家庭にどんどんコンピュータやインターネットが入ってきている現在、授業でもこれまで以上に、それらに代表されるようなデジタルメディアへの関わりが求められます。しかし、ただちょっとお絵かきソフトを使えばそれで図工の授業が成立するというわけでもないし、かと言って、肩ひじはってコンピュータをばりばり使ったから良い授業になるというものでもありません。
D-projectでは、コンピュータやソフトにふりまわされることなく、子どもの学びをみつめて、授業をデザインしていこうとする姿を提案したいという願いから発足しました。さらに、デザインというキーワードにふさわしく、図工や美術での取り組みにも積極的にチャレンジしていきたいと思います。「太く短く」進めていきます。
D-projectでは、以下の3つのキーワードをもとに、情報教育の実践研究や普及を進めていきます。
【深める】
特に、デジタル表現について、どんな授業例があるのか、子どもの学びにどのようにむすびつくのか、その時の教師のふるまいをどうすれば良いのか、ソフトは何をどのように活用すれば良いのか、を追究していくのです。
【広める】
もちろん、情報教育初心者に向けて、簡単に実践できるアイディアやテンプレート、ワークシートもD-projectのホームページ上で紹介していく。Q&Aや期間限定のテーマ討論なども掲示板を使って参加できるようにしていきます。
【まとめる】
D-projectでは、中心メンバーによる実践の紹介等について、セミナー等のイベントや学会での発表や書籍を発行し、まとめていきます。どこで何をどのようにまとめるか、については、随時情報をアップしていく予定です。
全国の30人の小、中、高の精鋭の実践者と大学に属する研究員がワーキングチームを作り、実践研究、テーマプロジェクトの推進、書籍の発行、イベント等での発表、そしてこのHPの企画・制作にかかわっています。また、アドビシステムズを中心に、多くの企業がオブザーバーとして加わっています。まさに産学の融合がこのD-projectなのです。
ぴったりと寄り添い、情報教育の未来に向かって笑顔を向ける、2つのD。小文字の「d」は生徒の姿を、大文字の「D」は先生の姿をイメージしています。情報教育に欠かせない人間性豊かな教育観をあらわすために、手描きタッチのフォルムを活かし、本プロジェクトの温かな体温を感じてもらえるように造形しました。彼らの名前は、ディジーとデジー。デジタル&デザインの世界を道案内する名コンビ、といった役どころです。ディジーとデジーは、今後D-project活動のさまざまな場面で、皆さまにお会いします。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
A 課題を設定し 解決しようとする力 |
B 制作物の内容と 形式を読み解く力 |
C 表現の内容と 手段を吟味する力 |
D 相互作用を 生かす力 |
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▶寺子屋リーフレット制作 | ◎ | ○ | ○ | |
▶プログラミング教育 | ◎ | ○ | ||
▶スクールワーク活用授業デザイン | ◎ | |||
▶特別支援アラカルト | ◎ | |||
▶国際協働学習の設計と評価 | ◎ | ○ | ○ | |
▶AIと教育 | ◎ | ○ | ○ | |
▶STEAMキッズプロジェクト | ◎ | ○ | ○ | ○ |
▶算数・数学とプログラミング的思考 | ◎ | ○ | ○ | |
▶データベース活用プロジェクト | ◎ | ○ | ||
▶新聞教材活用 | ◎ | |||
▶フォトポエム | ○ | ◎ | ||
▶Everyone Can Create | ○ | ◎ | ||
▶クレイアニメプロジェクト〈休止〉 | ○ | ○ | ◎ | |
▶小学校英語メディア創造力 | ○ | ◎ | ||
▶デジタルリーフレット | ◎ | ○ | ||
▶School XR | ○ | ◎ |