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D-project 「秋の公開研究会」
11月23日 会場:全共連ビル 後援:日本教育新聞社
11月23日(土)高まる期待のなか、千代田区・全共連ビルで遂に開催された、D-project「秋の公開研究会」。情報教育の現場で実践されている最新の成果を、その目でじかに確かめようと、全国から大勢の参加者が集まった。まず全体会として、北川事務局長の開催挨拶、D-project統括の中川一史先生からの主旨説明につづき、実践者3名によるプレゼンテーションが行われた。その後、参加者たちはそれぞれ4つの会場に分かれ、ワークショップと実践発表ポスターセッションに臨んだ。
今回のワークショップは、「CM研究」と「パンフレット作り」の2本。映像とデザインという、情報教育に欠くことのできない内容で展開された。どちらも第一線で活躍している先生がたが講師をつとめ、それぞれ3時間以上に渡って、受講者である全国の先生たちを対象に、充実したカリキュラム内容で実践された。
ワークショップ1 10:30〜14:15
講師:
田邊則彦(神奈川県 慶應義塾湘南藤沢中・高等部
ワークショップ指導:
江守恒明(富山県 富山県立大門高等学校)
井口 巌(宮城県 東北学院中学高等学校)
村上 拓(石川県 金沢大学内地留学)
■主な演習内容

対象は高等学校「情報」(中学校の技術家庭、総合でも応用可)
スポーツ映像を素材に使い、それをもとに自由な発想でCMを作る
CMで訴求する商品は各自が独自のアイデアで創作し、発泡スチロールのキューブやハート、ボール、円錐、容器などをデジタルカメラで撮影し、PC上でパッケージデザインを行う
■授業の流れ
1. この夏、慶應義塾湘南藤沢中・高等部で行われたCM研究の結果から、CMベスト3とワースト3を紹介
2. CMのメッセージ性について〜対象・時間帯・手法の違いから何を誰にどのように伝えたいのかを読み取る
3. メッセージ性を高める工夫〜CMのコマ割りについて、飲料水のCMを例にして参加者に実習体験
4. スポーツ映像のVTRを素材に、Adobe PremiereとAdobe Photoshop Elementsを使って、「スポーツ飲料、スポーツ用品、ボール、スニーカー、洗剤、DVカメラ」などの架空商品CMを作成
5.
6.
世界のCMを紹介
まとめ
田邊先生
井口先生
現在、富山県立大門高校、東北学院中学高等学校、神奈川大学附属中・高等学校、慶應義塾湘南藤沢中・高等部の各校でCM制作の授業が行われている。それぞれの学校で、CMが持つ役割やそのメッセージ性についての調査・分析が試みられ、生徒たちの手によってCMそれ自体の作成も展開されている。

このワークショップではそんな各校の事例を参考に、受講者である先生たち自身が、生徒の立場になってCM作成を実際に体験。CMというメディアにおけるコミュニケーションの在りかたを確認し、授業に活かしていくために行われた。

冒頭の田邊先生の全体説明につづき、井口先生から、“テレビCMをよく見てみよう”というテーマで、CM映像を構成するさまざまな要素について解説があった。モニタスクリーンに映し出されたのは、飲料水のCM映像。それを受講者たちと一緒に見ながら、映像の構成カット数や効果音などについての分析をともに行い、「人間は何かが変わる時にしか、気がつかない」というCM制作上の重要なポイントが示唆された。

つづいてワークショップのハイライト、スポーツ映像を素材にした、15秒のCM作成体験に移った。このスポーツ映像は、実際のテレビ番組で使用されたもの。このワークショップに限って特別に貸し出された貴重な映像と、架空の商品に見立てるために用意されたさまざまなカタチの容器、そのほか映像効果や音の素材集などを使って、CM作りがスタートした。
事前に用意された素材集は種類も多く受講者に好評だった
受講者は3人1組のグループに分けられ、それぞれに2台のノートPCが貸与された。うち1台ではPremiereを使用した映像編集を行い、もう1台でPhotoshop Elementsを使った商品パッケージ作りを進める。最後にそれらの素材をCM作品としてまとめ、完成させる。

作業に際しては、CMの絵コンテ作成用に「CM詳細企画書」が配付され、これに基づきグループごとに、プランニングを開始。ほぼ同時に、架空商品となる容器のデジタルカメラ撮影や、撮影画像の切り抜き作業なども始まった。

そして昼休み近くになり、後半の編集作業のためにPremiereの機能説明が行われ、それについての簡単な質疑応答があった。

午後から映像編集作業が本格化した。Premiereを駆使した映像のカット割りや効果音の選定、またキャッチコピーづくりなど、皆で作業を分担し、効率的に作品づくりが進められていく。設定した商品イメージやCMコンセプト、映像演出手法もグループごとに異なり、それぞれユニークな作品が仕上がっていった。
作品発表の時間になり、時間内に仕上げられたいくつかのCMが、モニタスクリーン上に映された。その中のひとつ「シャキットアップ」とネーミングされたのは、リフレッシュドリンクのCM。商品名がキャッチコピーにもなった連呼型CMの出来栄えに、会場から拍手が起こった。他にも「読売巨人銀行」や「ゴジラ生命」など、企画性が高くアイデアもたっぷり詰まった作品が発表された。

最後に、実際の学校の授業で映像素材を用いる際の著作権について、田邊先生から話があり、ワークショップ第1部「CM研究」が終了した。
秋の公開研究会ワークショップ2「パンフレット作り」
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