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D-project アーカイブス 総合的な学習Q&A
第3回  1 2 3
 
現場の疑問に現場の声で答える 総合的な学習Q&A 提供:学研「NEW教育とコンピュータ」編集部
Q2 総合的な学習では、子どもたちが様々な動きをします。しかしながら、教師の数は限られています。どうすれば良いのでしょう。
A1. 白江 勉 教諭「ワークシートと活動後の話し合いで状況把握を」
A2. 河村綾子 教諭「追究に不安を感じる子を中心に支援」
A3. 田邊則彦 教諭「よい動きをしている子どもを見つけだしてモデルに」
中川先生のここがポイント!「学校、学年の状況に応じた対策が重要」
ワークシートと活動後の話し合いで状況把握を
白江 勉
教諭
 1時間の学習の中で全ての子どもたちに支援をすることはまず不可能だと考えます。そこで、ナビゲーションのしっかりしたワークシートを準備し、子どもたちだけで活動を進めることができるようにすることがポイントになってきます。様々な場所で活動を展開する場合には、黒板に自分の名札(マグネットタイプ)を貼り、活動場所を明記してから開始するように指導しておきます。もちろん教室にもどってくる時刻を伝えておきます。そして、教室に戻ってきたらワークシートに活動のふりかえりをさせるのです。活動の様子を観察することができなかった子どもたちに対しては、ワークシートの記述や活動後の簡単な話し合いでの発言をもとに次の時間の支援を考えることができます。
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A2 追究に不安を感じる子を中心に支援
河村綾子
教諭
 昨年度の本校6年生は個人テーマでしたので、テーマ決定から初期の追究開始までに個人によって時間差が出ることが予想されました。そこで私たち(学年担当教師3人)はその対応策として、『教師と相談』『活動計画作成』『アドバイス会』『追究』と時間差をもたせた4つの場を設定しました。子どもたちには予め場の説明や流れをシミュレーションで示しておきました。おかげで、その子なりのペースで進めることができました。全員が追究にはいると、活動は53通り出てきました。それを教師3人で対応するのは至難の業です。そこで、追究に不安を感じる子どもを中心にみることを基本とし、あとは全員に活動内容の確認や追究の現状、悩みなどをきく相談会を何度も設けました。1時間に6、7人ずつ行っていき、現状を把握しました。しかし、単元を通して感じたことですが、個人に強い目的意識さえあれば、教師は何も心配せずとも子どもは進んでいくということです。そうなれば、教師は子どもが必要だと感じた時に支援することができます。また、校外に子どもを出すときの安全対策と言われますが、これも子どもたちに強い目的意識さえあれば、滅多なことはないと確信しています(過去3回無事故です)。
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A3 よい動きをしている子どもを見つけだしてモデルに
田邊則彦
指導主事
 子どもの動きがステレオタイプになっていたら、それは先生が子どもを「枠」にはめている証拠。さまざまな動きをするのが子どもなのです。過監督・過干渉にならないように、子どもの自主性を認めてあげましょう。子どもの学習には「観察学習」「模倣学習」のよいモデルが必要です。さまざまな動きをしている子どもの中から「よいモデル」をまずは先生が見つけ出す努力を! 先生が子どもの活動のすべてを把握することはできません。
 先生と子どもの関係を図で示してみました。実践したい総合的な学習にぴったりのタイプはどれ?
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中川先生のここがポイント! 学校、学年の
状況に応じた対策が重要


支援者が一人でも多くなるような工夫を

 総合的な学習のテーマや活動内容にもよりますが、なかなか担任1人では対応できないことが多いのも事実です。そのために、それぞれの学校の事情や学年の状況で工夫している姿が回答者の先生方の内容からもみてとれます。ここでは、打開策を整理してみましょう。

役割を決める
 主に、学年や2つの学年で合同で活動するときにこの方法がとられます。例えば、インターネットを使う活動があれば、校内の情報担当でもあるA先生が機器操作等のサポートを、調べ方の相談にはB先生を、というように。同じ動きをする子どもたちをそれぞれの箇所の担当の教師を決めて対応する、ということです。
増員できるよう働きかける
 校内の事情にもよりますが、学校によっては各学年に級外の教師や教頭などが「プラス1」として位置づけているところもあります。また、活動によっては、保護者や地域の協力者の方に入ってもらう方法もあります。  その場合は先月号でお話したように、あらかじめどのようなかかわり方を子どもたちにしてもらいたいかを理解していただく必要があります。
校内の職員に共通理解を求める
 プラス1として位置づけられていなくても、校内での活動の場合、実はいろいろなところに「教師役」がいるわけです。小学校1年生の「校内たんけん」のように、活動の最中に子どもたちに出会った教師、職員が何かアドバイスや声かけができるように、日ごろから全校的に共通理解をもつことが大切ではないでしょうか。
 朝の打ち合わせ等で説明と協力を求めるだけでもちがうはずです。

月刊「NEW教育とコンピュータ」7月号より転載

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