もう、10年以上も前の話になりますが、横浜の未来を託した「みなとみらい21地区」において『横浜博覧会』が開かれたことを覚えていらっしゃいますか?その博覧会開催に合わせて、この「横浜美術館」は開館されたのです。開館前に、横浜市図画工作研究会で見学させていただきたときには、横浜にも本格的な美術館ができたとわくわくしながら広い館内をまわったものでした。
有名な建築家丹下健三氏の設計されたこの建物は、とてもユニークな特徴をもっています。まず、入ってびっくりするのがエントランスホールです。2・3階部分が吹き抜けになっていて、階段状のギャラリー席が続き、天井は自然光が入るようにガラス張りになっています。そこでは美術館という概念を越え「新しい芸術の交流・文化の発信」をめざして、クラッシックやジャズのコンサートが開かれるのです。また、コレクション展に使われている展示室は、なんと円形の空間もあり、不思議な空間になっています。
学校教育でも大いに利用することができます。企画展では、過去「熱き挑戦−片岡球子の全像展 」「セザンヌ展 」「ポンペイの壁画展-2000年の眠りから甦る古代ローマの美 」「オランダ クレラー=ミューラー美術館所蔵 ゴッホ展」などが開かれました。有名な作品にふれるチャンスなので、こういうときには子どもたちにも鑑賞しにいくようにすすめています。また、コレクション展では、様々な分野の作品にふれることができます。ここでは、学芸員さんのお話を伺いながら鑑賞の授業を行なうこともできますし、子どものアトリエでは、学校ではできないような大量の粘土や水などを使った楽しい造形活動を行なうこともできるのです。(事前の申し込みが必要)
さらに、市民に密着した美術館になっていってほしいと願っています。
レポート:佐藤幸江(神奈川県 横浜市立大口台小学校) |