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                                佐藤可士和氏 | 
                               
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                        佐藤:クリエイティビティが重要だと思います。 
                         
      たとえば会社経営だって、人のやっていないビジネスをやろうとか、クリエイティビティがないと駄目ですよね。そういう意味では、社長はクリエイティブディレクター。ソニーのような大会社や銀行、それに政治家や国もクリエイティビティがないと成長しない。 
       
      だって法案だってアイデアじゃないですか。だから官僚だって創造性がないと前に進めない。学者になるにしても、クリエイティビティがないと新しい発見には繋がっていかない。そういった、大切なクリエイティビティの芽を摘んでしまうような教育だけは、止めてもらいたいと思っています。 
       
      個人的な経験になりますが、小学校時代と中学校時代の美術の先生の違いを、僕は痛烈に感じたんです。小学校の先生はけっこういい先生でした。ピカソっていうあだ名で(笑)。その先生は、僕が自由に描くものをとても誉めてくれて、「何やってもいいんだよ」というようなことを言っていました。 
       
      で、中学校に上がったら、そこでの美術の先生はマニュアル通りの教えかたで、子どものクリエイティビティを制限するような教育だった。もう中学一年くらいで、真剣にこの先生はダメだなと思った。言ってることもツマラナイことばかりだったし、喩えて言えば、ファーストフードのマニュアルに書いているような文章を喋っていた。  |