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情報教育徒然草〜友だちの輪〜

【第14回】
プロジェクト型遠隔共同学習への誘い…
図師弘秋先生(鹿児島県 大野小・中学校)

図師弘秋先生
宮崎の水野先生から御紹介いただいた鹿児島県垂水市立大野小・中学校の図師です。水野先生とは、もう何年のおつきあいになるでしょう。前任校の東市来町立鶴丸小学校でパソコン専科(※当時は、そういう加配教員がいた!)をしている頃からのおつきあいですから、もうかれこれ6年になろうとしています。当初は、学校間の交流学習にテレビ会議をどのように使っていけばよいかをおおいに研究していました。その後、水野先生は、テレビ会議に焦点をしぼって研究を深められていかれましたが、私の方は、プロジェクト型の遠隔共同学習がおもしろくなってしまって、なんとなくテレビ会議から遠ざかってしまいました。

さて、話は、プロジェクト型遠隔共同学習のことです。私たちが取り組んでいるのは、「THE DAIKON〜全国一斉桜島大根栽培プロジェクト」です。これは、「桜島以外の土地でも桜島大根は育つのか」という疑問を解明する一大プロジェクトでして、本年度は、海外も含む35校でチャレンジしています。

プロジェクトのねらいは、各地で桜島大根を栽培するとともに、その観察記録をインターネット上に公開し、ああでもないこうでもないと子どもたちが掲示板やメールで激しく情報交換することで情報活用能力を高めていこうというものです。北海道や東北等の寒い地方で雪に埋もれながら育っている、あるいは、熱帯のインドネシアで強い日差しにも負けずにけなげに育っている桜島大根を見ると相当なインパクトがあります。また、このプロジェクトでは、一番大きな大根を育てた学校には「優勝カップ」が贈られることになっていますから、子どもたちは、「目の色を変えて」取り組んでくれます。

交流学習にもいろいろな形があるのでしょうが、ひとつの目的に向かってみんなが突き進んでいくというのも悪くないです。交流の足がかりが私たちにとっては、桜島大根なのです。そのための手段がインターネットなのです。何名の子どもたちが今関わっているのか正確に数えてはいないのですが、500名は下らないと思います。これだけの子どもたちがインターネットを介してひとつことに熱中して取り組んでいるのです。ささやかな疑問を解決するためにこれだけの人が集まってくれたこと。自分で言うのもおかしいですが、すごいことだと思うのです。ネットの迫力みたいなものを感じます。

ネットワークを駆使してみんなで学んでいくことは、子どもたちにとって大変エキサイティングな体験だと思います。高度情報通信社会における新しい形の学習がプロジェクト型の遠隔共同学習なんじゃないかなと思うのです。

さあ、次回は、茨城県潮来市教育委員会の出頭信二先生です。先生は、情報教育担当の指導主事として学校の情報化に向けて大奮闘されています。学校現場とは違った立場から情報教育について熱く語っていただけることと思います。

2002年11月20日

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