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シリーズ2 プレゼンテーション能力の豊かな教師が子どもたちを伸ばす  1 2 3 4
 
各校に1人、情報コーディネーターを配置する
佐和:環境を整えれば教師の意識は確実に変わります。しかし、環境は整っても校内研修だけでは教師がすぐ使えないという現状もあります。
 だから、これからはもっと、人と物がうまく配置されていかなくてはいけないと思うんです。図書館司書のように、コンピュータの使い勝手をハードとソフトの両面でコーディネートする人がいないから、壊れたらそれっきりになってしまう。教師や学校が困ったときに対応できるコーディネーターが1人配置してあれば使う率が多くなるし、有効に機能すると思いますね。

豊田:例えば、技術バックアップとしての行政機関があったり、現場の教員の再研修施設として大学をリニューアルするなどの仕組みをつくる必要がありますね。

上草:沖縄の浦添市が大学と一緒になって、地域ボランティアとして琉球大学の学生や保護者たちが、手作りで校内LANを組んだんですね。この例は、学校は地域コミュニティの一つだと大変意識させられ、このケースはおもしろい、これからの教育のあり方の一つだと感じました。

佐和:柏市もまさにそうです。NPO柏インターネットユニオンという組織があり、麗澤大学の学生が市内の校内LAN構築をボランティアで行ってくれます。またその中の留学生とテレビ会議を使った授業なども組んでいるんです。そういう形で輪が広がるというのはすばらしいことだと実感しています。

千葉県柏市立旭東小学校

豊田:情報の実践を行っている学生をスクールボランティアで学校に呼び入れ、情報機器活用の経験が少ない教師と組めば、深くて広い授業ができますよね。一方、その教師は逆に大学に行って学んでくると、自信を付けてくる可能性があります。あるいは学校を開いて、情報のゼミ生が日常的に来るならそれを認めて、一緒にやっていく方法もありますね。

中川:私の大学ではそれを実践し、小・中学校で授業をやるときはゼミ生だけでなく周囲に声をかけています。学生からみれば、実際の授業に参加することでスキルや問題意識も高くなり、教師も授業を説明したり、プレゼンしたりする緊張感を得ますので、両方にとってプラスになります。そういう場がもっと増えていくと良いですね。
 以上を考えると、授業観や教育観や地域コミュニティのあり方にまで連携していることがわかりました。それからプレゼンだけが独立しているわけではなくコミュニケーションと対になって考えていかないといけないということを次回につなげていきたいと思います。本日はありがとうございました。
中川一史氏
司会・コーディネーター
金沢大学教育学部教育実践総合センター助教授。横浜国立大学卒業、同大学大学院修了(修士)。専門は情報教育、教育工学。2000年度に続き2001年度もNHK教育の学校放送、小学校情報教育番組に研究員役として出演。昨年夏、放送した番組では、番組の企画構成も行った。著書に「ネットワークと教育」(東洋館出版社)ほか多数

佐和伸明氏

千葉県柏市立旭東小学校教諭。文教大学教育学部卒業。現在、千葉県教育研究会柏支会・情報・視聴覚部会部長。1997年度より「総合的な学習の時間」の成果をHPで公開し、スクールホームページグランプリ文部科学大臣奨励賞はじめ数多くの賞を受賞。NHK夏のテレビ番組「わくわく自由研究」執筆メンバー

豊田充崇氏

和歌山県美里町立美里中学校教諭。和歌山大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科修了(修士)。専門は情報教育や教育実践学。中学校におけるマルチメディアやインターネットを活用した授業カリキュラムを考案し実践。県内の学校教育における情報教育の普及や推進に取り組み、県視聴覚研修や情報技術者研修などで講師を務める

上草憲昭氏
学習院大学法学部政治学卒業。現在、株式会社リコー販売事業本部MB営業グループリーダー。営業、セールス教育トレーナー、新人育成担当、商品担当。「マルチメディアボード」を商品企画から担当して4年になる。国内の学校現場を企業人としての立場からサポートを続け、より質の高い情報教育の開発・推進・普及に務めている
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